1. ComfyUI Manager の導入 (強く推奨)
本格的なセットアップに入る前に、今後のカスタムノードやモデルの管理を格段に楽にする拡張機能「ComfyUI Manager」の導入を強く推奨します。既に導入済みの方はこのセクションをスキップしてください。
導入には Git が必要になる場合があります。まだインストールしていない場合は、事前に Git をインストールしておくとスムーズです。
- コマンドプロンプト (またはターミナル) を開く:ComfyUI のルートフォルダ(
run_nvidia_gpu.bat
などがある場所)で、アドレスバーにcmd
と入力して Enter キーを押すなどして、コマンドプロンプトを開きます。 custom_nodes
ディレクトリに移動する:開いたコマンドプロンプトで、以下のコマンドを実行してcustom_nodes
ディレクトリに移動します。([ComfyUIのルートフォルダ]
は実際のパスに置き換えてください)cd [ComfyUIのルートフォルダ]\ComfyUI\custom_nodes
- 例:
cd C:\ComfyUI\ComfyUI\custom_nodes
- Git でリポジトリをクローンする:以下の
git clone
コマンドを実行して、ComfyUI-Manager のリポジトリをダウンロード(クローン)します。 これにより、custom_nodes
フォルダ内にComfyUI-Manager
というフォルダが作成されます。git clone https://github.com/ltdrdata/ComfyUI-Manager.git
- ComfyUI を再起動する:【最重要】コマンドプロンプトを閉じ、必ず ComfyUI を完全に再起動してください。(実行中の
run_*.bat
を一度閉じ、再度実行します) - 確認:再起動後、ComfyUI の画面上部に「Manager」ボタンが表示されていれば導入成功です。
(補足)Git を使わない場合は、ComfyUI-Manager の GitHub ページから ZIP ファイルをダウンロードし、展開したフォルダを custom_nodes
ディレクトリに配置することでも導入可能ですが、Git を使う方がアップデート管理が容易です。
2. 高速化モデル導入に必要なもの
「Jib Mix Flux SVDQuant」モデルと「nunchaku」のセットアップを開始する前に、以下のものが必要になります。
- ComfyUI 環境:前回の記事を参考に、ComfyUI が動作する状態になっていること。
- Python 環境:ComfyUI が使用している Python 3.12 環境にパッケージを追加できること。(ComfyUI ポータブル版に含まれる
python_embeded
を使用) - Git:(上記の ComfyUI Manager 導入で使用済みのはずですが)カスタムノードのインストールに必要です。
- ComfyUI Manager:上記のセクションで導入した(または既に導入済みの)管理ツール。これがあると作業が非常に楽になります。
- 十分な空き容量:モデルファイルや Python パッケージのダウンロードに数 GB 以上の空き容量が必要です。
- 対応するハードウェア:特に NVIDIA 製 GPU が推奨されます。モデルの説明にある通り、GPU によって生成速度は大きく異なります。
3. セットアップ手順
以下の手順に従って、nunchaku と関連コンポーネントをセットアップしていきます。【重要】手順を間違えると正常に動作しないため、順番通り慎重に進めてください。
3.1. nunchaku ライブラリのインストール (Wheel使用)
まず、ComfyUI-nunchaku
カスタムノードの動作に必須となる Python ライブラリ nunchaku
を、ビルド済みの Wheel ファイルを使って確実にインストールします。通常の pip install nunchaku
では Windows 環境で問題が発生することが確認されています。
- ComfyUI を完全に終了させる:実行中のコマンドプロンプトがあれば閉じます。
- コマンドプロンプトを開く:ComfyUI のルートフォルダ(例:
D:\ComfyUI_windows_portable
)で、アドレスバーにcmd
と入力して Enter キーを押します。 - 既存の nunchaku をアンインストール(念のため):以下のコマンドを実行します。
python_embeded\python.exe -m pip uninstall nunchaku -y
- Wheel ファイルから nunchaku をインストール:以下のコマンドを実行し、Python 3.12 用のビルド済み wheel ファイルをインストールします。(インターネット接続が必要です)
python_embeded\python.exe -m pip install https://huggingface.co/mit-han-lab/nunchaku/resolve/main/nunchaku-0.1.4+torch2.6-cp312-cp312-win_amd64.whl
- インストール確認(重要):コマンド実行後、エクスプローラーで以下のフォルダを開き、
nunchaku
というフォルダが正しく作成されていることを確認します。- 例:
D:\ComfyUI_windows_portable\python_embeded\Lib\site-packages\
- (
nunchaku-*.dist-info
フォルダだけでなく、本体のフォルダが必要です)
- 例:
- 依存ライブラリ
image_gen_aux
をインストール:続けて以下のコマンドを実行します。python_embeded\python.exe -m pip install git+https://github.com/asomoza/image_gen_aux.git
3.2. ComfyUI-nunchaku カスタムノードのインストール・ダウングレード
次に、ComfyUI 上で nunchaku を利用するためのカスタムノード群をインストールします。ここでは、インストールした nunchaku
ライブラリ(v0.1.4)と互換性のある v0.1.6 を手動で導入します。Manager から最新版を入れるとバージョン不整合エラーが発生するためです。
- 既存フォルダの削除(もしあれば):エクスプローラーで
[ComfyUIのルートフォルダ]\ComfyUI\custom_nodes\
フォルダを開き、もしComfyUI-nunchaku
というフォルダが存在すれば、フォルダごと削除します。 - v0.1.6 のソースコードをダウンロード:以下のリンクから、v0.1.6 のリリースノートページを開き、「Assets」セクションにある「Source code (zip)」をダウンロードします。
- 展開して配置:ダウンロードした
.zip
ファイルを展開します。展開して出てきたフォルダ(例:ComfyUI-nunchaku-0.1.6
)の名前をComfyUI-nunchaku
に変更します。 custom_nodes
フォルダに移動:名前を変更したComfyUI-nunchaku
フォルダを、[ComfyUIのルートフォルダ]\ComfyUI\custom_nodes\
フォルダの中に配置(移動またはコピー)します。- ComfyUI を起動:必ず ComfyUI を完全に起動してください。(
run_nvidia_gpu.bat
などを実行) - 起動ログを確認:起動時のコマンドプロンプトで、
ComfyUI-nunchaku
に関するエラー(ModuleNotFoundError
やImportError
)が出ていないことを確認します。
3.3. モデルファイル(Jib Mix Flux SVDQuant)のダウンロードと配置
「Jib Mix Flux v8-Flash! SVDQuant-4bit」モデル本体(AIモデルのデータや設定ファイル)をダウンロードし、ComfyUI の適切な場所に配置します。
- Civitai からモデルファイルをダウンロード:以下のリンク先から「Jib Mix Flux」モデルのページにアクセスし、「Jib Mix Flux v8 Flash Svdquant 4bit」などのSVDQuant版のファイル(
.zip
アーカイブ形式)をダウンロードします。(ファイル名は例:jibMixFlux_v8FlashSvdquant4bit.zip
) - モデルフォルダを展開して配置:ダウンロードした
.zip
ファイルを展開(解凍)します。展開すると、通常はjib-mix-svdq
という名前のフォルダが出てきます。このjib-mix-svdq
フォルダを、以下の ComfyUI のモデルディレクトリの中に移動(またはコピー)してください。[ComfyUIのルートフォルダ]\ComfyUI\models\diffusion_models\
- 結果として、
[ComfyUIのルートフォルダ]\ComfyUI\models\diffusion_models\jib-mix-svdq\
というパスの中に、comfy_config.json
などのモデルファイルが配置される形になります。
3.4. ワークフローの準備とノード設定
モデル作者が提供している Nunchaku 用のワークフロー設定(ノードの接続情報)を ComfyUI に読み込みます。これを利用するのが最も簡単です。
- ワークフローファイル(
.json
)をダウンロード:以下のページにアクセスし、モデル作者が提供している SVDQuant 版に対応した Nunchaku ワークフローファイル(ファイル名は例:Jib Mix Flux Flash Nunchaku Workflow.json
)をダウンロードします。(ページ内の説明やサンプル画像エリアにダウンロードリンクがあることが多いです) - ComfyUI にワークフローをロード:ダウンロードした
.json
ファイルを ComfyUI の画面にドラッグ&ドロップするか、「Load」ボタンをクリックしてファイルを選択し、読み込みます。 - 不足ノードのインストール:【重要】ワークフローを読み込むと、「Missing Node Types」というダイアログが表示されることがあります。これはワークフローに必要な他のカスタムノードが不足しているためのお知らせです。ダイアログを閉じた後、ComfyUI Manager を開き、「Install Missing Custom Nodes」ボタンをクリックしてください。不足しているノードの一覧が表示されるので、すべてにチェックが入っていることを確認し、「Install」ボタンを押してインストールします。インストールが完了したら、Manager の指示に従って必ず ComfyUI の再起動またはブラウザのリフレッシュを行ってください。
- 主要な Nunchaku ノードの設定確認:ワークフローのノードが正しく表示されたら、以下のノードの設定を確認します。
- Nunchaku Flux DiT Loader:
model_path
:セクション 3.3 でモデルファイルを配置したフォルダ名(例:jib-mix-svdq
)が正しく選択されているか確認します。
- Nunchaku Text Encoder Loader:
- FLUX モデルは通常、複数のテキストエンコーダー(例:
t5xxl_fp16.safetensors
,clip_l.safetensors
)を必要とします。これらのファイルが ComfyUI の適切なモデルフォルダ(例:models/text_encoders/
やmodels/clip/
)に存在するか確認します。存在しない場合は、Hugging Face などからダウンロードして配置する必要があります。(ワークフローによっては自動ダウンロードを試みる場合もあります)- 【注意】起動時にこれらのエンコーダーのダウンロードが自動で始まることがあります。その場合は完了まで待ってください。
- ノード内で正しいエンコーダーファイルが選択されているか確認します。
- FLUX モデルは通常、複数のテキストエンコーダー(例:
- KSampler (または相当するサンプラーノード):
- ステップ数 (
steps
)、CFG スケール、サンプラー名などを好みに合わせて調整します。モデルの説明にある通り、少ないステップ数(例:10ステップ)でも高速に高品質な画像を生成できるのが特徴です。
- ステップ数 (
- Nunchaku Flux DiT Loader:
- プロンプト入力と生成実行:ワークフロー内のプロンプト入力ノード(通常は CLIP Text Encode ノードに接続されている Primitive ノードなど)にプロンプトを入力し、「Queue Prompt」をクリックして画像生成を試します。成功すれば完了です!
4. NSFW LoRA の使い方
モデルの説明にある通り、この SVDQuant モデルは量子化の影響で NSFW(Not Safe For Work)コンテンツの生成能力が低下している可能性があります。モデル作者提供の NSFW LoRA を使うことで、この能力をある程度回復させることができます。
- NSFW LoRA ファイルを入手:モデル作者が指定している以下のリンク先などから、NSFW LoRA ファイルをダウンロードします。
- LoRA を配置:ダウンロードした LoRA ファイル(通常
.safetensors
形式)を ComfyUI のmodels/loras
フォルダに配置します。 - Nunchaku FLUX LoRA Loader ノードを使用:ワークフローに
Nunchaku FLUX LoRA Loader
ノードを追加または利用します。(ワークフローに既にある場合もあります) - ノードを設定:
lora_name
:ドロップダウンから、先ほど配置した NSFW LoRA ファイルを選択します。lora_format
:通常はauto
のままで問題ありません。base_model_name
:LoRA を適用するベースモデル(Nunchaku Flux DiT Loader で指定したモデルフォルダ名、例:jib-mix-svdq
)を選択します。strength
:LoRA の適用強度を調整します(通常 0.0 ~ 1.0)。save_converted_lora
:これを有効にすると、初回ロード時に SVDQuant 形式に変換された LoRA が保存され、次回以降のロードが高速になります。(ディスク容量を消費します)
- ノードを接続:
Nunchaku FLUX LoRA Loader
の出力を、ワークフロー内の適切な場所(通常は DiT Loader と KSampler の間など、モデルデータを渡す経路)に接続します。
(注意)現時点(2025年4月)の情報では、Nunchaku FLUX LoRA Loader
で一度にロードできる LoRA は1つまでのようです。今後のアップデートで複数対応される可能性があります。
5. 注意点とトラブルシューティング(まとめ)
ここまでの手順で問題が発生した場合の主な原因と対処法をまとめます。
- 「Missing Node Types」エラーが出る:
nunchaku
Python ライブラリが正しくインストールされていない可能性があります。セクション 3.1 の手順(特に Wheel ファイルからのインストールとフォルダ確認)を再確認してください。ComfyUI-nunchaku
カスタムノードのバージョンが古いnunchaku
ライブラリと合っていない可能性があります。セクション 3.2 の手順に従い、v0.1.6 を手動で導入してください。Manager から最新版を入れないように注意してください。- ワークフローに必要な他のカスタムノードが不足している場合は、Manager の「Install Missing Custom Nodes」でインストールしてください。(セクション 3.4 の手順参照)
- 「Failed to find the following ComfyRegistry list.」エラーが出る:ComfyUI Manager のキャッシュが古い可能性があります。Manager のメイン画面で「Update All」などを実行し、Manager を更新してから再度試してください。
- 「Install path already exists:」エラーが出る:既に同じ名前のカスタムノードフォルダが存在します。Manager の指示に従って再起動するか、不要であればフォルダを手動で削除してから再インストールします。(
ComfyUI-nunchaku
の場合はセクション 3.2 の手順に従い v0.1.6 を手動配置) - 高解像度でクラッシュする:モデルの既知の制限である可能性があります。生成サイズを小さくして試してみてください。
- その他のエラー:コマンドプロンプトのログを確認し、エラーメッセージ(
ImportError
,FileNotFoundError
など)をヒントに原因を探ります。ComfyUI や他のカスタムノードのアップデート、依存関係の再確認などが有効な場合があります。
6. まとめ
今回は、高速画像生成モデル「Jib Mix Flux SVDQuant」と、それを動作させるための「nunchaku」ライブラリおよび「ComfyUI-nunchaku」カスタムノードの導入手順を、発生しうるエラーとその対処法を含めて詳しく解説しました。
特に Windows 環境では、nunchaku
ライブラリのインストールに工夫(Wheel ファイルの使用)が必要であり、さらに ComfyUI-nunchaku
カスタムノードとのバージョン互換性(v0.1.6 の手動導入)に注意することが解決の鍵となりました。ComfyUI Manager は、その他の多くのカスタムノードの管理に非常に役立ちます。
セットアップは少し複雑でしたが、これで高速生成モデルを利用する準備が整いました!ぜひ様々なプロンプトを試して、快適な画像生成ライフをお楽しみください!