3. CapCutプロジェクト準備と素材配置

音声の下処理が終わったら、CapCutで本格的な編集を開始します。プロジェクトを作成し、動画素材と処理済みの音声を配置します。


CapCut新規プロジェクト作成と基本設定:

編集を始める前に、CapCutで新しいプロジェクトを作成し、基本的な設定を確認します。

  • プロジェクト作成:CapCut デスクトップ版を起動し、「新しいプロジェクト」を作成します。
  • 基本設定の確認:
    • フレームレート:元の動画素材に合わせるのが基本ですが、特に理由がなければ60fpsなどに設定します。(プロジェクト設定で変更可能)
    • タイムライン設定:編集効率を上げるため、タイムラインの自動スナップ機能(マグネットアイコン)や、メイン・サブトラックの吸着機能(チェーンアイコン)が有効になっているか確認します。これらは編集中に適宜オン・オフを切り替えます。

動画ファイルのインポートと配置:

編集したい元の動画ファイルをCapCutに読み込み、タイムラインに配置します。

  • インポート方法:「メディア」パネルに動画ファイルをドラッグ&ドロップするか、「インポート」ボタンからファイルを選択します。
  • タイムラインへの配置:インポートした動画ファイルをタイムラインのメインビデオトラックにドラッグ&ドロップします。

元動画の音声分離と処理済み音声の配置:

元の動画に含まれる音声を分離・削除し、代わりにDaVinci Resolveで処理したクリアな音声を配置します。

  • 元音声の分離と削除:
    1. タイムラインに配置した動画クリップを選択します。
    2. 選択したクリップ上で右クリックし、メニューから「オーディオを抽出」を選択します。(または、クリップを選択した状態でショートカットキー Ctrl + Shift + S を押します)
    3. 動画クリップの下のオーディオトラックに、元の音声が独立したクリップとして抽出されます。
    4. この抽出された音声クリップを選択し、削除します。(例:Deleteキーを押す)
  • 処理済み音声ファイルのインポートと配置:
    1. ステップ2でDaVinci Resolveから書き出した、ノイズ除去や音量調整済みの音声ファイル(例:WAVファイル)を、「メディア」パネルにインポートします。
    2. インポートした処理済み音声ファイルを、タイムライン上のオーディオトラック(元の音声を削除した場所)にドラッグ&ドロップします。
  • 同期の確認:
    • 処理済みの音声が、動画の映像(特に口の動きなど)とタイミングが合っているか確認します。通常、同じ動画ファイルから抽出・処理しているため、先頭を合わせれば同期しているはずですが、念のため確認しましょう。ズレている場合は、音声クリップを左右にドラッグして微調整します。

【重要】映像と音声の結合(複合クリップ化):←これが必須!

さて、映像と処理済み音声の配置・同期が完了しましたが、このままカット編集(特に項目5で学ぶジェットカット術)を進めるのは非常に危険です。なぜなら、CapCutの現在の仕様上、以下の理由により、ほぼ確実に映像と音声の同期がズレてしまうからです。

  • 理由1:ショートカットキーの挙動:
    • タイムライン上で何もクリップを選択していない状態で、リップル削除のショートカットキー(Wキー:左を削除、Qキー:右を削除)を使用すると、その効果はメイントラック(通常は映像トラック)にしか適用されません。
    • つまり、映像だけがカットされて前に詰まる(リップル削除される)一方で、下の音声トラックはそのままの位置に残り、一瞬で映像と音声がズレてしまいます。
  • 理由2:トラック間の吸着(マグネット)の限界:
    • メイントラック上のクリップ同士は「メイントラックマグネット」機能で隙間なく詰まりますが、メイントラックとそれ以外のトラック(例:追加した音声トラック)の間では、この自動的な吸着・連携が働きません。
    • たとえ毎回、映像と音声の両方のクリップを手動で選択してからカットや削除を行ったとしても、リップル削除時に音声クリップが映像と連動して綺麗に詰まってくれない場合があり、ズレが発生したり、余計な手間がかかったりします。(毎回選択する操作自体が非常に面倒です)

これらの問題を回避し、カット編集時に映像と処理済み音声を常に一体として扱い、同期ズレを完全に防ぐために、編集を始める前に必ず「複合クリップ」を作成します。これはCapCutで効率的かつ正確に編集を行うための必須のステップと考えてください。

  • 複合クリップの作成手順:
    1. タイムライン上で、映像クリップと、その下に配置した処理済み音声クリップの両方を選択します。(Shiftキーを押しながらクリック、またはドラッグで範囲選択)
    2. 選択した状態で右クリックし、メニューから「複合クリップを作成」を選択します。
    3. (または、OKIHIRO推奨ショートカット:両方のクリップを選択した状態で Gキー を押します。)
    • これにより、映像と音声がひとつの「複合クリップ」としてまとめられます。タイムライン上ではこの複合クリップだけが表示され、一体化された状態になります。
  • 複合クリップのメリット:
    • この複合クリップに対してカット編集(Wキー、Qキーなど)を行えば、内部の映像と音声は常に同期したまま扱われるため、ズレる心配が全くありません。ジェットカット術を安心して適用できます。
    • 後から複合クリップ内の映像や音声を個別に微調整したい場合は、複合クリップをダブルクリック(または右クリックメニューから「編集を開く」など)することで、複合クリップの中身を開いて編集できます。

これで、映像と高音質化された音声が完全に一体となり、編集中にズレる心配もない状態で、本格的なカット編集(ジェットカット)を開始する準備が整いました。

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