レッスン01:ツールの導入と初期設定

Thumb-AI-Studioの世界へようこそ!このレッスンでは、ツールをあなたのPCで動かすための全ての準備を整えます。ツールのダウンロードから、実行環境の構築、そしてAIを動かすためのAPIキー設定とライセンス認証まで、順番に完了させていきましょう。


1. Git/GitHubによるツールの導入

本講座では、プロの開発現場で標準的に使われているバージョン管理システム「Git」と、そのプラットフォームである「GitHub」を利用してツールを導入します。これにより、今後のアップデートがコマンド一つで安全かつ簡単に行えるようになります。

Step 1: GitHubチームへの参加

まず、あなたのGitHubアカウントを開発チームに招待します。以下の手順で進めてください。

  1. まだお持ちでない場合は、GitHub公式サイトからアカウントを作成してください。
  2. OKIHIROのプライベートチャットにて、あなたのGitHubアカウント名を講師までご連絡ください。開発チームへの招待をお送りします。
  3. GitHubから届く招待メールを開き、「View invitation」ボタンをクリックして招待を承認してください。これでリポジトリへのアクセスが可能になります。

Step 2: アクセス認証の準備 (初回のみ)

プライベートリポジトリの操作には認証が必要です。今後のパスワード入力を不要にするため、PCとGitHubアカウントを安全に連携させる「SSHキー」の設定を行います。

  1. キーを生成する: PCのターミナル(WindowsならGit BashやPowerShell)で以下のコマンドを実行します。メールアドレスはご自身のGitHub登録メールアドレスに置き換えてください。「Enter a file...」「Enter passphrase...」「Enter same passphrase again...」と3回聞かれますが、すべて何も入力せずEnterキーを押してください。
    ssh-keygen -t ed25519 -C "your_email@example.com"
  2. 公開キーをコピーする: 生成された公開キー(通常は ~/.ssh/id_ed25519.pub)の中身を全てコピーします。
  3. GitHubに登録する: GitHubのSSHキー設定ページを開き、「New SSH key」ボタンからコピーしたキーを貼り付けて保存します。

より詳しい手順はGitHub公式ドキュメントをご確認ください。

Step 3: ツールのダウンロード (Clone)

コマンドプロンプト(またはターミナル)でツールを保存したい場所に移動し、以下のコマンドを実行してツール一式をPCにダウンロードします。

git clone git@github.com:your-github-org/Thumb-AI-Studio.git


2. 実行環境のインストール

次に、ツールを動かすために必要な基本的なソフトウェアをPCにインストールします。

2-1. FFmpegのインストール(最重要)

【必須作業】
このツールは、動画から音声を抽出するために「FFmpeg」というソフトウェアを必要とします。PCにインストールされていない場合は、以下の手順で必ずインストールし、「PATHを通す」設定を行ってください。この設定が完了しないと、ツールは動作しません。

▼ Windows ユーザーの方
1. こちらのサイト(gyan.dev)から、最新リリースの「ffmpeg-git-essentials.7z」をダウンロードします。
2. ダウンロードしたファイルを解凍し、中のフォルダを分かりやすい場所(例: Cドライブ直下)に移動させます。
3. 以下の詳細手順に従って、環境変数PATHの設定を行ってください。

▼ FFmpegの環境変数PATH設定方法(Windows)

  1. ダウンロードしたffmpeg-git-essentials.7zを解凍します。(7-Zipなどの解凍ソフトが必要です)
  2. 解凍して出てきたフォルダ(例: ffmpeg-7.0-essentials_build)を、PCのCドライブ直下など、分かりやすい場所に移動させます。
  3. 移動したフォルダの中にあるbinフォルダを開き、エクスプローラーのアドレスバーをクリックして、パス(例: C:\ffmpeg-7.0-essentials_build\bin)をコピーします。
  4. Windowsの検索バーで「環境変数」と検索し、「システム環境変数の編集」を開きます。
  5. 「環境変数」ボタンをクリックし、「システム環境変数」の欄にあるPathを選択して「編集」をクリックします。
  6. 「新規」ボタンを押し、先ほどコピーしたbinフォルダのパスを貼り付けて「OK」を押して、全てのウィンドウを閉じます。

これで設定は完了です。コマンドプロンプトを開き ffmpeg -version と入力して、バージョン情報が表示されれば成功です。

▼ macOS ユーザーの方
ターミナルを開き、Homebrewを使ってインストールするのが最も簡単です。以下のコマンドを実行してください。
brew install ffmpeg

2-2. Pythonのインストール

本ツールはPythonで動作します。互換性を確保するため、Python 3.11 のインストールを推奨します。お使いのPCにPythonがインストールされていない、またはバージョンが異なる場合は、Python 3.11.9 公式サイトからインストーラーをダウンロードしてインストールしてください。(Windowsでのインストール時、「Add python.exe to PATH」に必ずチェックを入れてください)

2-3. Visual Studio Code (VSC) のインストール(推奨)

プロンプトファイルなどを快適に編集するために、高機能なテキストエディタの導入を推奨します。公式サイトからご自身のPCに合ったインストーラーをダウンロードして、インストールしてください。


3. ツールのセットアップとライセンス認証

3-1. 基本セットアップ

ツール本体に必要なライブラリ(部品)をインストールします。この作業は初回と、ツールをアップデートした後に必要です。

▼ Windows ユーザーの方
ダウンロードしたツールフォルダ内にある「_setup.bat」をダブルクリックして実行します。黒い画面が表示され、ハードウェアの選択(CPU/GPU)を求められた後、インストールが開始されます。完了するまで数分お待ちください。

▼ macOS ユーザーの方
ターミナルを開き、cdコマンドでツールフォルダに移動した後、以下のコマンドを順番に実行します。
chmod +x _setup.sh (初回のみ)
./_setup.sh

3-2. APIキーの設定

本ツールはGoogleの生成AI(Gemini)を利用して動作します。以下の2種類のAPIキーを取得し、ツールに設定してください。

  1. Gemini APIキー(テキスト生成用): Google AI StudioでAPIキーを作成し、コピーします。ツールフォルダ内のsystem/api_keys_gemini.txtを開き、コピーしたキーを貼り付けて保存します。このファイルにはキーを複数行にわたって登録でき、ツールが自動でキーを切り替えながら安定して動作します。
  2. Gemini APIキー(画像生成用): サムネイルの背景をAIに自動生成させる機能です。この機能を利用するには、Google Cloud Platform (GCP) でお支払い情報(課金)を有効にしたプロジェクトで発行したAPIキーが必要です。Google AI Studioの無料枠で発行したキーでは画像生成は実行できませんのでご注意ください。準備したAPIキーを、ツールフォルダ内のsystem/api_keys_image_gen.txtに貼り付けて保存します。

3-3. ライセンス認証

最後に、ツールを使用するためのライセンス認証を行います。

  1. ツールフォルダ内の「_run_gui.bat」(macOSの場合は「_run_gui.sh」)を実行して、ツールを起動します。
  2. 初回起動時に「ライセンス認証」ウィンドウが表示されます。ウィンドウ内に表示されている「マシンID」の文字列をコピーしてください。
  3. コピーしたマシンIDを、OKIHIROのプライベートチャットで講師までご連絡ください。あなた専用の「アクティベーションキー」を発行してお送りします。
  4. 受け取ったアクティベーションキーを「アクティベーションキー」入力欄に貼り付け、「認証」ボタンをクリックします。
  5. 「認証成功」のメッセージが表示されたら、一度ツールを閉じ、再度起動してください。これで全ての機能が利用可能になります。


4. 主要フォルダの役割

ツールを操作する上で、主に以下の3つのフォルダを使用します。

  • input/video/
    分析したい動画ファイル(.mp4など)を1つだけ置く場所です。
  • input/background_image/
    サムネイルの背景として使用したい画像を置く場所です(任意)。空の場合はAIが背景を自動生成します。
  • output/
    AIが生成した全ての成果物(SEO情報、サムネイル画像など)が、動画名のフォルダ内に保存されます。


お疲れ様でした!以上で全ての準備が完了です。次のレッスンでは、いよいよ実際にツールを動かして、最初のサムネイルを生成していきます。