Seedance 2.0 プロンプト設計の考え方

Seedance 2.0で動画を作る時に使う、プロンプトの考え方をまとめています。短い自然文、細かい指定、画像参照、@video参照の使い分けが分かる内容です。

0. いちばん大事なこと

Seedance 2.0のプロンプトは、大きく分けて2つの方向性があります。

プロンプトの書き方には、短い自然文で流れを書く方法と、秒数や動作を細かく書く方法があります。どちらの書き方でも、画像や動画の参照を使う場合と、参照なしで作る場合があります。最初に決めるのは、「何から始まり、誰が、どこで、何をして、最後にどうなるか」です。

短く自然文で書く

  • 何から始まり、誰が、どこで、何をして、最後にどうなるかを書く
  • 動きだけを確実に作る時に使う

細かく指定して書く

  • タイムライン、動き、背景、光、避けたい崩れを分けて書く
  • タイムラインや動きを細かく指定したい時に使う
考え方:Seedance 2.0のプロンプトの書き方には、短い自然文で書く方法と、タイムラインや細かい指定を使った方法があります。どちらが合うかは、作りたいシーンによって変わります。最初はシンプルな書き方から試し、コツをつかんできたら詳細指定を少しずつ足していくのがおすすめです。

目次

1. プロンプトの書き方と使い分け 2. プロンプトを書く前に決めること 3. 参照の使い分け 4. 言葉の選び方 5. 動画が崩れた時に見直すポイント

1. プロンプトの書き方と使い分け

プロンプトの考え方として、短い自然文で書く方法と、細かく指定して書く方法があります。

1.1 短く自然文で書く

何から始まり、誰が、どこで、何をして、最後にどうなるかを1本の流れにすると、動きが伝わりやすくなります。高速アクションやスポーツ動作では、細かく指定するよりも動きがつながりやすい場合があります。

プロンプト例

サッカー場で女性が高速でドリブルをする。
途中でボールを上へ上げる。
空中のボールをボレーシュートする。
ボールは空高く飛んでいく。
BGMなし。

基本の型

【何から始まるか】
【誰が/何が、どこで、どんな状態か】
【最初に何をするか】
【途中で何が起きるか】
【最後に何をするか】
【最後にどうなるか】
BGMなし。

最初の状態から結果まで、映像に出る順番で並べます。伝わりにくい言葉を避け、再現しやすい言葉を選びます。

1.2 細かく指定して書く

短い自然文だけで伝わりにくい時は、秒数、動き、背景、カメラワーク、ライティング、避けたい崩れ(ネガティブプロンプト)を分けると伝わりやすくなります。動きのタイミングや見せ方を細かく決めたい時に向いています。

詳細指定のプロンプト例

Opening:サッカー場で、女性がボールを足元に置いて走り出す。
Subject:細身の女性サッカー選手。実写の自然な体型。
Action:[0-2s] 女性が高速でドリブルをする。[2-4s] 足でボールを上へ上げる。[4-6s] 空中のボールをボレーシュートする。
Environment:昼のサッカー場。芝生のフィールドが見える。
Camera:人物とボールが見える距離で固定。カメラは大きく動かさない。
Style:実写映像。自然な昼の光。
Constraints:余計な人物を出さない。ボールを消さない。手足の崩れを避ける。BGMなし。

1.3 参照を使う場合

人物や背景を固定したい時は画像参照が向いています。他の動画の動き、速度、タイミング、エフェクトなどを参考にしたい時は@video参照が向いています。詳しい使い方は「3. 参照の使い分け」で扱います。

1.4 使い分けの早見表

プロンプトの書き方は、短く書く方法と細かく指定する方法に分かれます。そこに、画像参照や@video参照を組み合わせます。

書き方内容向いている場面
短く自然文で書く何から始まり、誰が、どこで、何をして、最後にどうなるかを書く動きだけを確実に作りたい
参照を使って短く書く本文は短く、画像参照で人物や背景を固定する人物などを固定しつつ再現度を保ちたい
細かく指定して書くタイムライン、動作、背景、光、避けたい崩れを詳細に書くタイムラインや動きを細かく指定したい
参照を使って細かく書く画像参照で人物や背景を固定しつつ、本文で動きを細かく指定する人物固定・細部まで固めたい

2. プロンプトを書く前に決めること

プロンプトを書き始める前に、シーンの軸と秒数を決めておくと作りやすくなります。

2.1 何から始まり、誰が、どこで、何をして、最後にどうなるか

初めに、動画の時系列を先に決めておくと、動きの抜けや詰め込みすぎに気づきやすくなります。下の表を参考に、何から始まり、誰が、どこで、何をして、最後にどうなるかを、分かりやすい言葉で考えます。

決めることプロンプトに入れる内容
何から始まるかボールが飛んでくる、人物が座っている、ドアが開く最初の状態
誰が/何が細身の女性、若い男性、黒い服の人物、ひとつのボール主役になる人物や物
どこでサッカー場、静かな室内背景、夜の路地場所、背景、光
どんな速さで高速で、速く、ゆっくり、一度だけ動作のテンポ
何をしてドリブルする、立ち上がる、打ち返す動画の中心になる動き
途中で何が起きてボールを蹴り上げる、光る、別の球に変わる途中で起きる変化
最後にどうなるか空高く飛ぶ、破裂する、地面に落ちる動きの結果

2.2 秒数を決める

秒数次第で、動画のバランスが大きく変わります。短い秒数で動作を詰め込むと、すべて再現できずに中途半端な動画になります。長い秒数で動作が少ないと、余計な補完で変に間延びしてしまいます。

向いている内容ポイント
4〜5秒1動作だけ。打つ、蹴る、振り向くなど変化や複数アクションを入れると詰まりやすい
6〜7秒飛来 → 変化 → 打つ、構え → 打つ → 飛ぶ短い接続カットに向く
8秒前後移動 → 技 → 決め技など、3段階アクションスポーツの複合動作に使いやすい
10秒以上複数動作と見せ場を含むカット余白が増えると予定にない動きが出やすい

1つの動作の長さにもよるので、上記はあくまで参考です。実際に頭の中でシーンを想像しながら秒数を数えてみてください。

3. 参照の使い分け

参照を使うと、文字だけでは伝えにくい見た目や動きを指定しやすくなります。画像参照は、顔、服装、背景などの静的な要素に向いていて、動画参照は、動き、速さ、タイミング、カメラワーク、エフェクトなどの動的な要素に向いています。

大事なのは、参照から何を使うかをはっきりさせることです。

3.1 画像参照

画像参照は、人物や背景を固定したい時に向いています。人物を使う場合は、顔アップ画像と全身画像を分けると安定しやすくなります。顔は顔アップ画像から参照し、服装や体型は全身画像や三面図から参照することで、顔がブレにくくなります。

画像の種類向いている用途ポイント
顔アップ顔・髪・年齢など全身は別画像で参照
ニュートラル三面図体型・身長感・全身バランス顔は参照させない
背景画像背景・奥行き・光人物とは分けて生成する

画像参照の注意点として、シーンを切り取った画像を参照させると、そのポーズや構図がそのまま動画に使われることがあります。基本的には人物と背景を分けることをおすすめします。

3.2 画像参照を使って短く書く

人物や背景を固定したい時は、参照の役割を先に決めます。その後の動作説明は、@imageタグと短い自然文でつなぎます。

プロンプト例

@image1は人物の顔だけに使う。
@image2は人物の服装だけに使う。
@image3は背景だけに使う。

@image1の顔、@image2の服装の人物が、@image3の背景の中で、ゆっくり椅子から立ち上がる。
BGMなし。

3.3 画像参照を使って詳細に書く

人物や背景を参照で固定し、秒数、動作、避けたい崩れ等を本文で指定します。

詳細指定のプロンプト例

@image1は人物の顔だけに使う。
@image2は人物の服装だけに使う。
@image3は背景、机、窓、椅子の位置だけに使う。

Opening:@image1の顔、@image2の服装の人物が、@image3の背景で椅子に座っている。
Subject:@image1の顔、@image2の服装の人物。
Action:[0-2s] 椅子に座ったまま一度だけ深く息を吸う。[2-5s] 両手を手すりに置き、ゆっくり立ち上がる。
Environment:@image3の背景。机、窓、椅子の位置関係を保つ。
Constraints:顔の別人化、服装の変化、家具の移動、余計な人物を避ける。BGMなし。

3.4 @videoで他の動画の要素を使う

動画参照では、既存の動画または参照なしで作った動画から、動き、速度、タイミング、カメラワーク、エフェクトなどを参照できます。

用途詳細
一部の要素を参照する
(フリー素材など外部の動画)
動画から動き、速度、タイミング、カメラワーク、エフェクトなど、一部の要素を引き継ぎます。
人物や背景を書き換える
(フリー素材など外部の動画)
動画の動きをそのままに、見た目の人物、服装、背景を変えます。
先に作った動画から一部を参照する自分で(参照なしで)先に作った動画から、動き、速度、カメラワークなど、一部の要素を引き継ぎます。
先に作った動画の人物を入れ替える自分で(参照なしで)先に作った動画の動きをそのまま再現しつつ、画像参照(@image)を組み合わせて別の人物や服装に入れ替えます。

プロンプト例

@video1から、カメラワークだけを参考にする。
人物、服装、背景、動きは@video1を参照しない。

サッカー場で女性が高速でドリブルする。
途中でボールを上へ上げる。
空中のボールをボレーシュートする。
カメラワークは@video1を参考にする。
BGMなし。

3.5 @videoで人物や背景を書き換える

参照動画の動きをそのままに、人物、服、背景を変える方法です。

プロンプト例

@video1の動きを再現する。
人物は@image1の顔と服装を優先する。
背景は@image2を優先する。
BGMなし。

3.6 参照なしText-to-Videoで安定した動画を先に作る

参照ありで安定しない場合に、Text-to-Videoで動きだけを先に作る方法があります。Seedance 2.0は、参照なしのText-to-Videoの方が、動画全体が安定しやすい傾向があります。

この方法は、次の流れで進めると分かりやすくなります。

  1. Text-to-Videoで、安定した動画を作る。
  2. 次の生成で人物、服、背景などを書き換える。

1ステップ目のプロンプト例(動きのベース作り)

人物の見た目や背景の詳細はあえて書かず、主語と動きのタイミングだけに集中して指示を出します。

シンプルな室内で、標準的な体型の人物が椅子に座っている。
Action:[0-2s] 椅子に座ったまま一度だけ深く息を吸う。[2-5s] 両手を手すりに置き、ゆっくり立ち上がる。
Style:実写映像。
Constraints:余計な人物を出さない。BGMなし。

2ステップ目のプロンプト例(動画の書き換え)

1ステップ目で成功した動画を @video1 とし、画像参照を組み合わせて見た目を上書きします。元の動画の良い動きやタイミングを綺麗に引き継ぐための指示を記述します。

@video1の動き、タイミング、手足の軌道をそのまま再現する。
人物の顔は@image1、服装は@image2のデザインに書き換える。
背景や椅子の見た目は@image3を優先して置き換える。
BGMなし。

4. 言葉の選び方

Seedance 2.0では、AIが理解しやすい言葉を選ぶことが最重要です。難しい言葉は使わず、誰が読んでもすぐに状況を理解できる文章を心がけましょう。

4.1 避けたい言葉の考え方

避けたいのは、抽象的な言葉、専門的すぎる言葉、位置関係が分かりにくい説明、主語がない文です。また、Seedance 2.0では、細かい位置や距離の指定は効きにくい傾向があります。

種類起きやすい問題書き換え方
抽象的な言葉「プロのカメラワーク」「映画のように」だけでは、何を再現すればいいか分かりにくい「カメラは固定」「人物の上半身が見える距離」「背景を少しぼかす」「暗い室内に柔らかい光が入る」のように、見え方を具体的に書く
専門的すぎる技名ヒールリフトのような技名だけでは、動きが伝わらず、ぎこちない動きになることがあるかかとでボールを宙に浮かせる、浮いたボールを蹴るのように、技の動作を分割して書く
位置関係が分かりにくい説明「前から」「右から」だけでは、誰から見た位置なのかがずれやすい人物の右側、ボールの上、椅子の横のように、基準になるものを入れて書く
基準があいまいな視点「画面奥から手前へ」「カメラに向かって」は、視点の基準がずれると崩れやすい人物がカメラへ近づく、ボールが人物へ近づくのように、何がどこへ動くかを書く
主語がない文何が動くのか分からず、人物、物、背景の動きがずれやすい人物が、ボールが、ドアが、のように、動くものを主語として書く
アニメという言葉アニメにしたくない時に「アニメ」と書くと、逆にアニメ寄りに反応することがある「アニメ」という言葉は使わず、実写、自然光、現実の人物のように、出したい見た目をポジティブに書く
気をつけること:難しい言葉やあいまいな表現を入れると、AIが別の意味で受け取ることがあります。避けたい言葉を増やすより、出したい見た目を、誰が読んでも分かる言葉で書きましょう。

5. 動画が崩れた時に見直すポイント

  • 何から始まり、誰が、どこで、何をして、最後にどうなるかを確認する
  • 秒数に対して、動作を詰め込みすぎていないか確認する
  • 難しい言葉や専門的な技名を、動作を分割した言葉に直す
  • 主語が抜けていないか、何が動くのか分かる文になっているか確認する
  • 位置や視点の基準があいまいな時は、基準になる人物や物を入れて書く
  • @video参照を使う時は、何を参考にして、何を使わないかを確認する
  • 避けたいことを増やしすぎず、出したい見た目や動きを書き直す
まとめ:崩れた時は、一度に全部を直そうとせず、時系列、主語、秒数、参照の役割をひとつずつ確認しましょう。原因を分けると、どこを直せばいいか判断しやすくなります。

参考資料