「ファイル名に日本語を使ったらエラーが出た…」
「APIキーの設定が複雑で、どこを触ればいいかわからない…」
AIを使って自作ツール開発に挑戦すると、こうした細かな、しかし避けては通れない壁に必ずぶつかります。ここで挫折してしまう人も少なくありません。
この記事は、プロのAIエンジニアを育成する『OKIHIRO式 AI司令官養成アカデミー』の受講生に対して行われた、実際の個別フィードバックを元にした開発記録です。
開発現場で起きるリアルな問題に対し、プロがどのように考え、解決へと導くのか。その思考プロセスを覗いてみましょう。エラー解決のヒントがきっと見つかります。
今回のサポート事例:4つのポイント
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1.
ファイル名の「お作法」を守る
エラーを未然に防ぐため、ファイルやフォルダの名前は「半角英数字」と「アンダーバー」で作成するのが基本ルールです。
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2.
エラーの本質を理解する
「ファイルが作れない」というエラーも、実は拡張子(※ファイルの種類を示す記号)の付け間違いが原因だったりします。メッセージの意図を汲み取ることが重要です。
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3.
手作業ではなく「ツール」で解決する
データが足りないなら、手で直すのではなく「データを追加する機能」をAIに作らせましょう。この「自動化思考」が開発を加速させます。
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4.
APIキーは「鍵」と同じ。しっかり管理する
APIキー(※外部サービスと連携するための合言葉)が漏れると危険です。使える機能を制限する設定で、リスクを最小限に抑えましょう。
【詳細解説】プロの思考プロセスを深掘り
1. なぜ「日本語ファイル名」は危険なのか?
多くのプログラミング言語やツールは海外で開発されており、日本語のような2バイト文字を想定していない場合があります。これが原因で、文字化けしたり、プログラムが正しくファイルを認識できなくなったりと、予期せぬエラーの温床になるのです。
思考のポイント:
プログラミングの世界では、ファイル名やフォルダ名は「半角英数字」と、スペースの代わりになる「アンダーバー(_)」で構成するのが鉄則です。これは、無用なトラブルを避けるための、シンプルかつ非常に効果的な「防御策」なのです。
2. データが足りない?→ AIに「機能追加」を命じる思考
今回の事例では、「既存のCSVファイル(※住所録のようなデータファイル)に緯度・経度の情報がないため、距離が計算できない」という問題が発生しました。
ここで「手作業で緯度・経度を調べて入力しよう」と考えるのは非効率的です。データが100件、1000件と増えたら破綻してしまいます。
思考のポイント:
プロは「面倒な繰り返し作業は、プログラムにやらせる」と考えます。AIにこう指示しましょう。
「ツールに新しい機能を追加したい。既存のCSVファイルには住所しかないので、その住所を元に緯度と経度を自動で調べて、新しい列として追加してくれる機能を作って。」
このように、問題そのものを解決する「機能」をツールに組み込むことで、将来にわたって同じ問題で悩むことがなくなります。
3. APIキーを「鍵」に例えるセキュリティ思考
Googleマップなどの外部サービスを使うには、APIキーという「合言葉」が必要です。これは言わば「家の鍵」のようなもの。もしこの鍵が悪意のある第三者に盗まれてしまうと、勝手にサービスを使われ、高額な請求が発生する可能性があります。
思考のポイント:
家の鍵に「この鍵では寝室と書斎にしか入れません」と制限をかけられたら、安全だと思いませんか? APIキーも同じです。Google Cloudの管理画面で「このAPIキーでは、マップ表示とルート検索の機能しか使えません」と制限をかけることができます。
この一手間をかけることで、万が一APIキーが漏洩しても、被害を最小限に食い止められます。機能を追加するだけでなく、安全に運用するところまで考えるのがプロの思考法です。
次のアクションへ繋げよう
今回の内容を踏まえ、まずはご自身のパソコンの中をチェックしてみましょう。
- 日本語のファイル名やフォルダ名が残っていませんか? もしあれば、今後の開発では半角英数字に統一することを意識してみてください。
- 今後ツール開発で問題が起きたら、「手作業で直す」のではなく「AIに自動化する機能を作らせる」という視点を持ってみましょう。
一つ一つのエラーは、あなたを成長させる貴重な経験です。プロの思考法を取り入れ、着実に開発スキルを向上させていきましょう。
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