はじめに
KLING AI は、Kuaishou(快手)が開発した、最先端のAIビデオ/画像生成モデルです。テキストプロンプトや画像を基に、非常にリアルで高品質なビデオや画像を生成することができます。
このガイドでは、KLING AIの全機能と使い方を詳細に解説し、クリエイティブな可能性を最大限に引き出すお手伝いをします。
主要機能
KLING AIは、大きく分けて以下の機能を提供します。
- ビデオ生成 (Video Generation):
- テキストからビデオ (Text-to-Video)
- 画像からビデオ (Image-to-Video)
- リップシンク (Lip Sync)
- ビデオ生成の高度な制御 (Advanced Video Generation Control):
- カメラ制御 (Camera Movement)
- モーションブラシ (Motion Brush)
- 部分強調 (Showme)
- ビデオ拡張 (Extend with Prompt)
- 開始/終了フレーム (Start and End Frames)
- 要素間インタラクション(Using Elements for Interaction Between Characters)
- 画像生成 (Image Generation):
- テキストから画像 (Text-to-Image)
- 参照画像ベース (Reference/Base Image)
1. ビデオ生成 (Video Generation)
1.1 テキストからビデオ/画像からビデオ (Text-to-Video / Image-to-Video)
KLING AIは、テキストプロンプト、またはアップロードされた画像から、最大2分間(推奨は5〜10秒)の、1080p解像度、30fps(フレーム/秒)の高品質なビデオを生成します。
1.2 効果的なプロンプト作成 (5W1H)
より具体的で高品質なビデオを生成するためには、5W1Hの要素をプロンプトに組み込むことが重要です。
要素 | 説明 | 例 |
Who (誰) | 主体(人物、動物、物体など) | 猫、女性、宇宙飛行士、ロボット |
What (何) | 主体の詳細(服装、状況、特徴など) | 白衣の科学者、枝の上のカラフルなオウム、未来都市 |
When (いつ) | 時間(朝、昼、夜、特定の時刻、季節など) | 夜明け、午後8時、真夜中、早春 |
Where (どこ) | 場所(屋内/屋外、具体的な環境、背景など) | 都市、森の中、寝室、実験室、宇宙船 |
Why (なぜ/何) | 理由、行動、目的(主体が何をしているのか、なぜそうなのか) | 遊んでいる、食べている、話している、走っている、実験している |
How (どう) | シーンの詳細(画風、カメラアングル、照明、色のトーンなど) | 油絵風、クローズアップ、暖色系の照明、鮮やかな色彩 |
プロンプトの構造例:
- より簡潔な書き方: [主体] + [主体の詳細] + [動き] + [シーン] + ([カメラアングル] + [雰囲気/スタイル])
- 詳細な書き方: [Who(詳細)] + [What]+ [When] + [Where]+[Why]+ [How(スタイル)]
例:
- 簡潔: 巨大なパンダ + 黒縁メガネ + 本を読む + カフェ + (ミディアムショット + 暖かい照明 + 水彩画風)
- 詳細: 黒縁眼鏡をかけた巨大なパンダが、カフェのテーブルで本を読んでいます。テーブルの上には湯気の立つ温かいお茶のカップもあります。ミディアムショット、暖色系の照明。背景はぼやけており、窓からカフェの中の様子が見え、水彩画風です。
1.3 利用可能なスタイル
KLING AIは、以下のような多様なスタイルでビデオを生成できます。
- 指定なし (Default): KLING AIが、プロンプトの内容に基づいて最適なスタイルを自動的に選択。
- ポートレート (Portrait): 人物写真に最適。顔の表情や微妙な動きを表現。
- ライブフォト (Live Photo): 静止画全体に、自然な動きを追加。風景写真などに有効。
- 水墨画 (Ink Painting): 水墨画のような、独特のタッチと質感。
- アニメーション (Animation): カートゥーン調、アニメ調。
- 絵文字 (Emoji): 絵文字のような、シンプルで誇張された表現。
- ビンテージ (Vintage): レトロ、フィルム風の質感。
- Grand Creativity: より創造的、または幻想的な表現。
- その他: 油絵風(oil painting)、サイバーパンク(cyberpunk)、3Dレンダリング(3D rendering)など、具体的な画風やジャンルを指定可能。
1.4 リップシンク (Lip Sync)
- 入力した音声、またはテキスト読みに合わせて、キャラクターの口の動きを、ビデオ内で生成します(人間キャラクター限定)。
- 最大10秒間のビデオに対応。
2. ビデオ生成の高度な制御 (Advanced Video Generation Control)
生成されるビデオに対して、さらに詳細な制御を行うための機能です。
2.1 カメラ制御 (Camera Movement)
KLING AIのインターフェース上で、以下のカメラワークを選択・設定できます。プロンプトでカメラの動きに関する指示を追加することも可能です。
- Horizontal (水平移動): カメラが左右に移動。
- Vertical (垂直移動): カメラが上下に移動。
- Zoom (ズーム): 被写体に近づいたり(ズームイン)、遠ざかったり(ズームアウト)。
- Pan (パン): カメラの位置は固定したまま、水平方向に回転(首振り)。
- Tilt (チルト): カメラの位置は固定したまま、垂直方向に回転 (上下に首振り)。
- Roll (ロール): カメラが、被写体を追いかけるように移動。
2.2 モーションブラシ (Motion Brush)
画像内の特定領域に、任意の方向の動きを指定できます。例えば、「風になびく髪」や「水面に広がる波紋」などを表現できます。
2.3 部分強調 (Showme)
ビデオの特定の部分(例えば、動物の頭部だけ)に動きを限定したい場合に利用します。指定した部分のみが動き、他の部分は静止したままになります。
2.4 ビデオ拡張 (Extend with Prompt)
生成されたビデオを、さらに長くします。
- Auto-Extend: AIが自動的にビデオを延長(プロンプト不要)。
- Customized Extend: 新たなプロンプトを指定して、ビデオを延長。
2.5 開始/終了フレーム (Start and End Frames)
開始フレームと終了フレームとして、2枚の画像をアップロードします。KLING AIは、これら2つの画像間を滑らかにつなぐ、中間フレームを生成します。
2.6 要素間インタラクション(Using Elements for Interaction Between Characters)
複数のキャラクターやオブジェクトを含む画像をアップロードし、それらの間の相互作用をプロンプトで記述することで、より複雑なシーンを作成する事ができます.
3. 画像生成 (Image Generation)
3.1 テキストから画像 (Text-to-Image)
テキストプロンプトから、高品質な画像を生成します。ビデオ生成と同様に、5W1Hの要素をプロンプトに含めることで、より詳細で意図に沿った画像を生成できます。
3.2 参照画像ベース (Reference/Base Image)
既存の画像を「参照画像」としてアップロードし、そのスタイルや構図、要素などを基にした新しい画像を生成します。
その他のポイント
- Standard Mode & Professional Mode: 用途に応じて画質と創造性のバランスを調整できる2つのモードがあります。
- Standard Mode: より現実的で、細部まで鮮明。
- Professional Mode: より創造的で、アーティスティックな表現。
- 高品質な例: KLING AIの公式ドキュメントや、コミュニティで共有されている作例を参考にすると、プロンプト作成のヒントになります。
- Text Generation: テキスト生成機能も搭載。
まとめ
KLING AIは、最先端のAI技術を駆使し、テキストと画像から高品質なビデオや画像を生成できる、非常に強力なツールです。このガイドが、KLING AIの機能を理解し、創造性を最大限に発揮するための一助となれば幸いです。