AIを「指揮」する時代へ。
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1. Google Antigravityとは? - エージェント型IDEの衝撃
こんにちは、AIアーキテクトのOKIHIROです。2025年末の発表以来、開発者界隈を騒がせているGoogle Antigravity。皆さんはもう触れましたか?
これは単なる「コード補完ツール」ではありません。Googleが提唱するのは「Agentic IDE(エージェント型統合開発環境)」という新しい概念です。従来のGitHub Copilotや初期のCursorが「助手」だとすれば、Antigravityに搭載されたエージェントは「自律的なジュニア開発者」に近い動きをします。
最大の特徴は、Gemini 3 Pro(またはClaude Sonnet 4.5などのモデル)を頭脳に持ち、以下のタスクを自律的にこなす点です。
- プロジェクトの計画立案(Implementation Plan)
- ファイルの作成とコード記述
- ターミナルコマンドの実行
- ブラウザを実際に操作しての動作検証とデバッグ
今回は、この未来的なツールを使って、1行もコードを書かずに「ポモドーロタイマー」を作成し、Web上に公開するまでの手順を解説します。
2. インストールと重要な初期設定
まずは環境構築です。AntigravityはWindows、Mac、Linuxに対応しています。
ダウンロードとセットアップ
公式サイト(antigravity.google)からインストーラーをダウンロードし、起動します。セットアップウィザードでは、以下の手順で進めます。
- テーマ選択: Darkモードなどを選択。
- 開発スタイルの選択: 初心者は「Agent-driven development(エージェント主導)」ではなく、「Review-driven development(レビュー主導)」を選択することを強く推奨します。これにより、AIが勝手にファイルを書き換える前に、必ず人間の承認プロセスが入ります。
- Googleアカウントでログイン: 設定情報の同期やGeminiモデルへのアクセスに使用します。
【重要】AIの暴走を防ぐ設定
エディタが起動したら、まず右下の「Antigravity Settings」を確認してください。以下の2点は必ずチェックしましょう。
- Auto Execution(自動実行):
Request Reviewに設定。ターミナルコマンド(パッケージのインストール等)が勝手に実行されるのを防ぎます。 - Review Policy(レビューポリシー):
Request Reviewに設定。AIがコードを変更する際、必ずDiff(差分)を確認してから適用するようにします。慣れてきたらAutoにしても良いですが、最初は安全策を取りましょう。
3. 実装:AIエージェントに「指揮」を執らせる
それでは実際にアプリを作っていきましょう。今回は「モダンなWebベースのポモドーロタイマー」を作成します。
ステップ1:詳細なプロンプトで指示を出す
画面右側のチャットパネル(Agent Panel)で、AIモデルに Gemini 3 Pro (High) を選択し、以下のプロンプトを入力します。ポイントは「要件」と「技術スタック」を明確に伝えることです。
Create a modern web-based Pomodoro timer. It should have a large 25-minute countdown display and Start/Reset buttons. When the timer hits zero, play a notification sound. Use HTML, CSS, and Vanilla JavaScript.
(日本語訳:モダンなWebベースのポモドーロタイマーを作成してください。大きな25分のカウントダウン表示と、開始/リセットボタンが必要です。タイマーがゼロになったら通知音を鳴らしてください。技術スタックはHTML, CSS, Vanilla JavaScriptを使用すること。)
ステップ2:計画と承認
Antigravityはすぐにコードを書き始めません。まず「Implementation Plan(実装計画)」を提示してきます。どのようなファイル構成にするか、どのようなロジックで動くかが示されるので、内容を確認して「Accept(承認)」をクリックします。
すると、エージェントは以下のファイルを自動生成します。
index.html:構造styles.css:デザイン(グラスモーフィズム等のモダンな指定も自動で行います)script.js:タイマーのロジック
ステップ3:ブラウザによる自律テスト
ここがAntigravityの真骨頂です。コード生成後、エージェントは「ブラウザで動作確認をしたい」と提案してきます。
承認すると、専用のブラウザウィンドウが立ち上がり、エージェントが自動でボタンをクリックしたり、タイマーの動作を待ち受けたりしてテストを行います。エラーが発生した場合は、そのログを読み取り、自律的に修正コードを提案してきます。
4. 機能追加とデプロイ
基本機能ができたら、追加の要望を出してみましょう。
カスタマイズ機能の追加
「時間を自由に設定できるようにしたい」という場合も、会話形式で依頼します。
Update the code to add a sound effect when the timer hits zero. Also, add an input field in the HTML so the user can set a custom time in minutes.
エージェントは既存のコードを解析し、必要な箇所(HTMLのinputタグ追加、JSのイベントリスナー修正)だけを的確に書き換えます。私たちは提案された差分(Diff)を確認し、承認するだけです。
Netlify Dropで公開する
完成したアプリを世界に公開しましょう。今回はサーバー設定不要のNetlify Dropを使用します。
- Antigravity上で、プロジェクトのファイルが保存されているフォルダを開きます(エクスプローラー/Finder)。
- ブラウザで Netlify Drop にアクセスします。
- 先ほどのフォルダを、Netlifyの画面にドラッグ&ドロップします。
これだけでデプロイは完了です。発行されたURLにアクセスすれば、PCからでもスマホからでも、あなたが作った(そしてAIが書いた)タイマーアプリを使用できます。
5. まとめ
Google Antigravityを使った開発フロー、いかがでしたか?
重要なのは、私たちが「コードを書く」のではなく、「要件を定義し、AIの成果物をレビューし、承認する」というマネジメントの役割にシフトしている点です。Gemini 3 Proの高度な推論能力と、エディタ・ブラウザが統合された環境は、個人の開発速度を劇的に向上させます。
この「AIとペアプログラミング」を超えた「AIを指揮する」スタイルは、2026年のスタンダードになりつつあります。ぜひ皆さんも、新しい開発体験を味わってみてください。
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