Gemini Computer Useの世界
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1. Gemini Computer Use とは? - 画面操作の革命
こんにちは、AIアーキテクトのOKIHIROです。今回は、Googleが発表した衝撃的な技術、Geminiの「Computer Use(コンピュータ操作)」機能について解説します。
これは単なるチャットボットではありません。AIが私たちと同じようにPCの画面を見て、マウスを動かし、クリックし、キーボード入力を行うことができる技術です。
動画では、Gemini 2.5 および最新の Gemini 3.0 シリーズが紹介されています。特に Gemini 3.0 Flash は、画面理解のベンチマーク(ScreenSpot-Pro)で69.1%という高スコアを記録し、競合モデルを圧倒しています。
具体的な活用例として、以下のようなデモが公開されています。
- 手書きメモのアプリ化: ナプキンに書いたUIスケッチを読み込ませるだけで、動作するWebアプリのコードに変換。
- 自律的な情報収集: 複数のWebページを巡回し、特定のイベント情報を抽出してスプレッドシートにまとめる。
- GitHubの自動化: プルリクエストの内容を確認し、検証作業を自動で行う。
2. 必要な準備(Google Antigravity・AI Studio)
この強力なエージェント機能を試すには、いくつかのプラットフォームへのアクセスが必要です。
- Google AI Studio: ブラウザ上でGeminiモデルを試し、プロトタイプを作成できる環境です。ここでは「Bring anything to life」機能などを試せます。
- Google Antigravity: 動画でメインに紹介されている、Googleの新しいAI支援型IDE(統合開発環境)です。エージェントの開発、実行、デバッグに特化しています。
- Browserbase / Stagehand: AIによるブラウザ操作を支援するフレームワークです。これらを組み合わせることで、より堅牢な自動化が可能になります。
Google Antigravityは現在プレビュー段階の場合がありますが、公式サイトからWaitlistに登録するか、Google AI Studio経由でアクセス権を確認してください。
3. Google Antigravity 実践ワークフロー徹底解説
ここでは動画の後半で実演されている、「大学のWebサイトからイベント情報を抽出するエージェント」の開発フローを解説します。Google Antigravityの「Agent Manager」を使用します。
ステップ1: エージェントへの指示出し
AntigravityのPlaygroundで、自然言語を使ってエージェントにタスクを指示します。
プロンプト例:
「マサチューセッツ工科大学(MIT)のWebサイトに行き、今後60日間に開催されるAI関連のイベントをすべて見つけてください。各イベントのタイトル、日時、場所、リンクを収集してください」
Antigravityのすごいところは、エージェントが「思考(Thought)」し、実際にブラウザを操作している様子をライブプレビューで見られる点です。
ステップ2: マルチページ・ナビゲーションの自動化
エージェントはトップページから「Events」や「News」のセクションを自律的に探します。
動画のデモでは、エージェントが検索フィルターを操作し、「AI」や「Intelligence」といったキーワードで絞り込みを行っています。もしページ遷移が必要な場合でも、AIが文脈を理解してリンクをクリックし、複数のページを横断して情報を集めます。
ステップ3: データの構造化と出力
情報収集が終わると、エージェントはそのデータを扱いやすい形式に変換します。
デモでは、収集したイベント情報をJSON形式で保存し、さらにそれを表示するためのHTMLファイルまで自動生成していました。
特筆すべきは、デバッグ機能です。もし生成されたHTMLがうまく表示されない場合、エージェントが自らエラーを検知し、JSONデータの読み込み部分を修正して再実行する様子が確認できます。
4. エージェント精度を高める調整のコツ
Gemini Computer Useを使いこなすためのポイントをまとめます。
- モデルの選択: 速度とコストを重視するなら
Gemini 3.0 Flashが最適です。動画内のベンチマークでも、精度と速度のバランスで最高評価を得ています。 - セマンティックな指示: 単に「ここをクリック」ではなく、「AIに関連するイベントを探して」というように、目的ベースで指示を出すことで、AIの推論能力を最大限に活かせます。
- 人間による介入(Human-in-the-loop): Antigravityでは、エージェントの操作中に人間が介入して、「そこではない、こっちのメニューだ」と修正指示を出すことができます。これにより、複雑なタスクの成功率が上がります。
5. まとめ
Google AntigravityとGemini 3.0の登場により、Webブラウザ上のタスク自動化は「スクリプトを書く」時代から「AIに任せる」時代へとシフトしています。
手書きのスケッチからアプリを作ったり、面倒な調査業務を丸投げしたりといったことが、現実のものとなりました。ぜひGoogle AI Studioにアクセスして、この「未来のPC操作」を体験してみてください。
Gemini APIの可能性を、ぜひあなたの手で引き出してみてください🚀
