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1. 「AI探班」とは? - 生成AIが変えるファン体験
こんにちは、AIアーキテクトのOKIHIROです。
今、SNSを中心に「AI探班(AI Set Visit)」というトレンドが生まれています。これは、自分自身の写真をAIで映画の撮影現場(セット)に合成し、あたかも主演俳優たちと談笑しているかのような動画を作る技術です。
従来、これを実現するには高度なVFX技術や、Stable DiffusionのControlNetを駆使した複雑なPythonコーディングが必要でした。しかし、Wondershare社の動画編集ソフトFilmoraに、中国Kuaishou社が開発した強力な動画生成モデル「Kling AI(可霊)」が統合されたことで、GUI操作だけで驚くほどリアルな生成が可能になりました。
本記事では、この「静止画から一貫性のある動画を生成する(Image to Video)」プロセスを、技術的な裏付けと共に解説します。
2. 必要な環境と技術要素
今回はプログラミングを行わず、以下のAI搭載ツールを使用します。Filmoraは従来のエディタ機能に加え、クラウドベースの強力なAIモデルへのAPIゲートウェイとしての側面を強めています。
- Wondershare Filmora 14以降: 最新のAI機能(AI画像生成、AI動画生成)が利用可能なバージョン。
- Kling AI (可霊) 2.5: Filmoraに統合された動画生成モデル。物理法則の理解度が高く、破綻の少ない5秒〜10秒の動画を生成できます。
- Nano Banana Pro: Filmora内で利用可能な画像生成モデル(※バージョンにより名称が異なる場合がありますが、Stable Diffusionベースのファインチューニングモデルと考えられます)。
コスト感について:
Filmoraのサブスクリプション(年間約8,000円〜10,000円前後)に加え、AI生成機能には「AIクレジット」が必要になる場合があります。高負荷なGPU処理をクラウドで行うため、API従量課金に近い考え方ですね💡
3. 実装・ワークフロー解説
動画で紹介されているワークフローは、大きく「画像生成」と「動画化」の2段階に分かれます。エンジニア視点で各ステップのポイントを紐解きます。
Step 1: AI画像生成 (Text to Image)
まずは、自分とスターが並んでいる「元画像」を作成します。Filmoraの「AI画像生成」機能を使用しますが、ここで重要なのはプロンプトエンジニアリングです。
動画内では「Nano Banana Pro」というモデルを選択し、以下の要素をプロンプトに含めています。
- 被写体の固定: 自分の写真を「参照画像(Image Prompt)」としてアップロードし、顔の特徴を維持させます。
- 状況説明: 「映画の撮影現場(film set)」「オフショット(behind the scenes)」「自然な笑顔(candid smile)」といったキーワードで、作り物感を減らします。
- 品質指定:
8k resolution,photorealistic,cinematic lightingなどの呪文でディテールを向上させます。
技術ポイント:
参照画像を使用する際、影響度(Weight)の調整が鍵です。自分の顔に寄せすぎると画風が崩れ、弱すぎると別人になります。50%〜70%程度の設定から試すのがセオリーです。
Step 2: 画像から動画へ (Image to Video with Kling AI)
ここが今回のハイライトです。作成した静止画を、Filmoraの「画像から動画生成(Image to Video)」機能に渡します。
設定画面で「Kling AI」モデル(または対応する高画質モデル)を選択します。Kling AIは、SoraやRunway Gen-3と比較しても、人物の微細な表情や物理的な動き(髪の揺れなど)の再現性が非常に高いのが特徴です。
- プロンプトの変更: 動画化する際のプロンプトは、動きの指示に特化させます。「カメラに向かって笑う」「手を振る」「互いに顔を見合わせる」など、具体的な動作を指定します。
- カメラワーク:
Zoom InやPan Rightなどのカメラ操作もAIが自動で行いますが、プロンプトで補足するとより意図通りの映像になります。
Step 3: 編集とスティッチング (Stitching)
生成された動画は数秒(通常5秒程度)です。これを自然な長尺動画にするために、「最後のフレームを次の動画の開始フレームにする」手法(動画内では「首尾帧(Start/End Frame)」機能と言及)を使います。
1. 最初の動画のラストフレームを静止画として書き出す。
2. その静止画を次のImage to Videoの入力画像(Start Frame)に設定する。
3. プロンプトを変えて(例:次は右を見る)生成する。
これを繰り返すことで、シーンが連続した長いワンカット風の動画が完成します。これは、潜在空間(Latent Space)上の特徴点を維持しながら次のシーケンスを生成する、非常に理にかなった手法です✅
4. 応用・注意点
ハルシネーション(AIの幻覚)への対策:
動画生成AIは、指の本数が増えたり、背景の時空が歪んだりする現象が起きがちです。Kling AIは比較的安定していますが、発生した場合は「シード値(Seed)」を変更して再生成するか、Filmoraのマスク機能で破綻した部分を隠す等のポスプロ処理が必要です。
API利用との比較:
Pythonを使って直接Kling AIやRunwayのAPIを叩く場合、より詳細なパラメータ(Motion Bucket IDやNoise Scaleなど)を制御できますが、環境構築の手間がかかります。Filmoraのようなツールは、これらのパラメータを適切なプリセットに落とし込んでおり、クリエイティブな試行錯誤に集中できる点が大きなメリットです。
5. まとめ
FilmoraとKling AIを組み合わせることで、特殊なコーディング技術なしに、ハリウッド映画のセットに飛び込むような体験が可能になりました。
AI技術は「自動化」だけでなく、私たちの「想像力(妄想)」を形にするための強力なブースターです。このワークフローは、映画のファンアートだけでなく、プロトタイピングやストーリーボード制作にも応用できるでしょう🚀
ぜひ一度、あなたの手元にある写真で「AI探班」を試してみてください。
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