知識源(Vault)リストの構築
最初のミッションは、プログラミング(ツール開発)ではありません。
AIに「勝手にネット全体を検索させない」ための手綱となる、「信頼できる知識源のリスト(sources.yaml)」を定義・作成します。これが専門系AIにおける最大のハルシネーション(嘘)対策となります。
なぜ「人間が検索してコピペ」しないのか?
これまでのAI活用では、「人間がGoogle検索をして、必要な結果をチャットAIにコピペして読ませる」のが王道でした。しかし、この手法はエージェントAIを前提とした環境では完全に時代遅れです。
- 毎回自分で検索してAIに「ここを読んで」と長文を貼るのが極めて手間である。
- 検索結果が多い場合、どれを抽出するか人間の判断がボトルネックになる。
- 一番の理由: Antigravity(AIエージェント)自身が、人間のようにブラウザを開いて「賢く」情報を読み取る能力を持っているから。
「どうやって検索結果を集めてコピペするか」という労働は行いません。
AIエージェントには「どこから(Where)」「何を(What)」探すかだけを指示するリストを渡し、検索行動自体はAIの自律エンジンに委ねます。
作業フォルダの準備
まず最初に、このRoute D全体を通して使うプロジェクト用のフォルダをPC上に作成し、Antigravityで開きます。
Antigravityは「現在開いているフォルダ」の中で作業します。ここが定まっていないと、AIがファイルをどこに作るか分かりません。
📁 手動で行う作業(2分)
- PC上の好きな場所(例:
D:\KampoProject)に新規フォルダを作成する。 - その中に
01_Knowledgeというサブフォルダを作成する。 - Antigravityを開き、「フォルダーを開く」で上記のプロジェクトフォルダ(例:
D:\KampoProject)を開く。
Antigravityで開いたフォルダが「作業範囲」になります。これをせずにいきなりプロンプトを送ると、意図しない別の場所にファイルが作成されたり、既存のファイルと混ざって管理が難しくなるのを防ぐためです。
知識源リスト (sources.yaml) の作成
漢方など、専門分野において「ここなら信頼できる」というサイト群(またはローカルのPDFパス)を、まずあなた自身が厳選してテキストファイルにまとめます。
その後、それをAntigravityに渡し、スキルが読み込める形式(YAML)に変換・保存させます。
Step 1-1: 信頼できるURLを自分で厳選する(人間の仕事)
ブラウザで、あなたの専門分野において「ここの情報なら正確だ」と自信を持てるサイトを探してください。
政府機関、学会、公的な研究機関、医薬品データベースなど、権威性のあるサイトが望ましいです。
集めたURLを、先ほど作った 01_Knowledge フォルダの中に my_urls.txt というテキストファイルを新規作成して保存してください。
書き方は自由ですが、URLと簡単なメモ(何のサイトか)をセットで書いておくとAIが正確に整理できます。
📝 my_urls.txt の記入例
台湾衛生福利部 中医薬司(台湾の漢方行政機関) https://dep.mohw.gov.tw/DOCMAP/ 厚生労働省 医薬品情報(日本の公的機関) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/ 日本東洋医学会(学会の公式サイト) https://www.jsom.or.jp/ KEGG DRUG データベース(成分・薬理情報) https://www.kegg.jp/kegg/drug/
Step 1-2: Antigravityに変換と配置を命じる(AIの仕事)
my_urls.txt の準備ができたら、Antigravityのチャット欄に以下のプロンプトを送ってください。
AIが自動的にファイルを読み込み、設定フォルダの作成からYAML化まで一気に行います。
テスト:自律検索とVaultへの格納
リスト(sources.yaml)ができたら、「実際にこのリストを使って検索し、綺麗な情報をまとめてこい」とAntigravityに直接命じます。人間が一つ一つ検索してURLを渡す手間を省き、AIに直接お遣いを行わせる圧倒的な体験を味わってください。
👁️ 司令官としての確認ポイント
実行後、本当に 01_Knowledge/Vault/01_頭痛・風邪/kakkonto_data.md ファイルが作成されているか確認してください。
中身を開き、文字化けや関係ないサイトのナビゲーションメニューが混ざっていない、「純粋な知識テキスト」になっているか確認できれば、テストは大成功です。
(※これが、かつての「面倒なコピペ作業」を完全に置き換える自律情報収集のゴールです。AIはこれを標準機能でやってのけます。)