Phase 0 : Commander Core

Lesson 02:命令の型「構造化プロンプト」

「魔法の言葉」を卒業し、AIを確実に制御する技術

AIに「高度な」仕事をさせるには、人間と同じように「役割」「目標」「情報」「制約」「報告形式」を明確に伝えることが重要です。
このレッスンでは、AIにあなたの意図通りに動いてもらうための「命令の型(構造化プロンプト)」を習得します。

1. AIの「行動」を制御するOKIHIRO流コマンド

AIは、私たちが与える指示を文字通り実行します。だからこそ、その「行動」を明確に指定するコマンドが重要になります。
これらは全て、指示の最後に付け加えて出力を制御するための定型句です。

① コードの「省略」を許さない呪文

AIはスペースを節約するために、コードを `...` で省略しがちです。開発ではこれは致命的。常に完全なコードを出力させるための必須コマンドです。

② AIの「先走り」を止める呪文

AIは良かれと思って、まだ指示していないコードを先に出力することがあります。まずは要件を確認させたい時などに使います。

③ 出力形式を強制する呪文

用途に応じて2種類を使い分けます。

A. 通常のコード出力(読みやすさ優先)

B. 純粋なテキストデータ(コピペ用)

※AIの解説や装飾を排除し、中身だけを取り出したい時に使います。

2. AIを「プロの部下」に変える万能テンプレート

AIに「高度な」仕事させるには、人間と同じように「役割」「目標」「情報」「制約」「報告形式」を明確に伝えることが重要です。
この「型」に沿ってプロンプトを作成すれば、あなたの意図通りにAIは動きます。

【OKIHIRO式・万能プロンプトテンプレート】

【プロの流儀】このテンプレートの使い方

このテンプレートは、あなたが手で埋めるためのものではありません。
AIに「このテンプレートに沿って、〇〇なプロンプトを作って」と指示してください。

出力が意図と違えば、「Constraintsの部分が弱いから、もっと具体的にして」のように、AIに修正を指示します。
手打ちは最小限に、AIとの対話で完成させるのがプロのやり方です。

3. AI生成JSONの落とし穴と自動修復

【復習】JSONとは?なぜ重要なのか?

JSON(ジェイソン)は、プログラムが読みやすいように設計されたデータ形式です。
{"キー": "値", "年齢": 30} のようなシンプルな構造をしています。

自動化ツールでは、AIに「この形式で報告して」と指示することで、結果を正確に解析し、次の工程に渡すことができます。
人間が読むための文章ではなく、機械と対話するための共通言語だと理解してください。

しかし、AIが生成するJSONは、時として「構造が破綻している」ことがあります。

⚠️ AI生成JSONの典型的なエラー

  • 最後の要素の末尾にカンマが付いている。
  • キーや値がダブルクォーテーションで囲まれていない。
  • 余計なMarkdownのバッククォート(```json)が付いている。
  • 途中で生成が止まってしまい、閉じ括弧(}])が足りない。

これらのエラーは、Pythonで json.loads() 関数を使うと、容赦なくプログラムを停止させます。

そこで、あなたのツールには、AIが生成した不正なJSONを「AI自身に自動修復させる」仕組みを組み込みます。

🛠️ 自動修復の仕組み:
AIから受け取ったJSONがエラーだった場合、そのエラーメッセージと壊れたJSONをAIに再度渡し、「このJSONを修正してください」と命令します。これを数回繰り返しても直らない場合は、人間が介入する仕組みがプロのツールには必須です。

🔧 実装用プロンプト:JSON自動修復機能

4. AIとの「対話」を支配するプロの流儀

あなたは「プロンプトを書く人」ではなく、「AIを指揮して最高のプロンプトを作らせる人」です。

【AI活用の鉄則】

  • プロンプトはAIに書かせる: まずは「〇〇なプロンプトを作って」と指示し、AIに叩き台を作らせる。
  • 自分で直さず、AIに直させる: AIの出力が間違っていたら、「〇〇の部分が間違っているから、△△に修正して」と具体的に指摘する。人間が直接書き換えるより、AI自身に修正させる方が学習効率が高いです。
  • 結果を常に検証する: AIの回答を鵜呑みにせず、必ず一度実行し、エラーが出たら「治癒の呪文」で修正させる。
  • AIの「知識の古さ」を疑い、最新情報を強制する: AIは学習データが古いため、最新のライブラリやモデルを知らないことがあります(例:古いGemini 1.5のコードを出力する)。
    【対策】 使いたいツールの公式ドキュメント(例:Geminiのモデル一覧ページ)を開き、ページ全体をコピー(Ctrl+A)してテキストファイルに保存します。これをプロンプトと一緒にAIに渡して、「この情報に基づいてコードを書いて」と命令すれば、AIは最新の知識で作業を開始します。

5. マスタープロンプト・ビルダー

この講座で学ぶ全ての「創成」「進化」「治癒」の呪文を、作りたいツールの内容を入力するだけで自動生成するツールです。
OKIHIRO流の「拡張性が高く、API制限にも強い」構成をAIに強制させます。

プロジェクトをゼロから立ち上げるときに使います。OKIHIRO流フレームワークで設計させます。


これで、AIを賢く動かすための「プロンプトの型」と「対話術」を習得しました。
次は、AIにあなた自身の価値観や事業内容を深く理解させ、最強のパートナーへと進化させる技術を学びます。