データセンターのような空間に立つ女性の後ろ姿と、「AI-YouTube SEO」の文字が大きく表示された画像。AIを活用したYouTube SEO対策を解説する記事のイメージです。YouTube, SEO, AI, データ分析, アルゴリズム

YouTube SEO対策をAIで強化！データ分析完全ガイド【2025年最新】

2025年3月25日

Table of Contents

はじめに

前回の記事では、Google Apps Script (GAS) と YouTube Analytics Reporting API を活用して、YouTube チャンネルのデータを Google スプレッドシートに自動取得する方法を解説しました。

今回は、そのデータに加え、YouTube Data API v3 を使って動画の詳細情報 (タイトル、説明文、タグなど) を取得し、Google AI Studio で分析する方法を解説します。

さらに、YouTube Studio アナリティクスから手動で取得するデータも組み合わせ、AI の力を借りて効果的な YouTube SEO 対策を導き出します。

データ収集：自動取得と手動取得を組み合わせる

YouTube SEO 対策に必要なデータを効率的に収集するためには、API による自動取得と、YouTube Studio アナリティクスからの手動取得を組み合わせる必要があります。

API で自動取得できるデータ

YouTube Analytics Reporting API と YouTube Data API v3 でデータを取得

Google Apps Script コード (Googleドキュメントの「分析用データ取得タブ」のコードを Google Apps Script に貼り付けて実行すると、YouTube チャンネルの詳細なアナリティクスデータが Google スプレッドシートに自動取得されます。

このコードで取得できるデータは以下の通りです。

チャンネル全体の基本的な指標 (概要)
動画ごとの基本的な指標、および詳細情報 (タイトル、説明、タグ)
視聴者層データ (年齢層、性別)
トラフィックソースの種類
再生場所
デバイスタイプ
オペレーティングシステム
国/地域

YouTube Data API v3 の設定

YouTube Data API v3 の有効化：
- Google Cloud Platform Console (https://console.cloud.google.com/) にアクセスし、前回の記事で作成したプロジェクトを選択。
- 左側のナビゲーションメニューから、「API とサービス」>「ライブラリ」を選択。
- 検索バーに「YouTube Data API v3」と入力し、検索結果から「YouTube Data API v3」を選択。
- 「有効にする」ボタンをクリック (既に有効になっている場合は、「管理」ボタンが表示されます)。
API キーの取得と制限：
- 左側のナビゲーションメニューから、「API とサービス」>「認証情報」を選択。
- 「+ 認証情報を作成」>「API キー」を選択 (もし既存の適切な API キーがあれば、それを使用しても構いません)。
- API キーが作成されたら、そのキーの名前 (リンク) をクリックして編集画面に移動します。
- 「キーの制限」セクションで、「API の制限」を選択。
- ドロップダウンリストから「YouTube Data API v3」を選択。
- API キーをコピー：
  画面右側の「詳細情報」欄にある「鍵を表示します」をクリックし、表示された API キーをコピーします。
- 「保存」をクリック。
コードの確認と API キーの貼り付け：
- Google ドキュメントのコード（分析用データ取得タブ）内にある fetchVideoInfo 関数を開く。
- 'YOUR_API_KEY' の部分（赤文字で表示）を、コピーした API キーに置き換える。

スクリプトの実行とデータの確認：

コードの置き換えと保存：
- Googleドキュメントの「分析用データ取得タブ」のコードをすべてコピーします。
- Google Apps Scriptエディタで既存のコードに、すべて上書きペーストします。
- ツールバーの保存アイコン (💾) をクリックして変更を保存します。
実行：
ツールバーの「実行」ボタン（▶️）をクリックします。
認証 (初回実行時、または認証情報が変更された場合)
- 実行ログに「以下のURLを開いて認証してください」というメッセージと、非常に長い URL が表示されます。この URL をすべてコピーし、ブラウザのアドレスバーに貼り付けて Enter キーを押します。
- Google アカウントのログイン画面が表示されたら、YouTube チャンネルを管理している Google アカウントでログインします。
スプレッドシートの確認：
Google スプレッドシートを開き、YouTube Analytics のデータが新しいシートに書き込まれているか確認します。

データが書き込まれない場合：

Google Apps Script エディタのツールバーで、実行する関数が getYouTubeData になっていることを確認してください。
エラーメッセージが表示された場合は、そのメッセージを Google AI Studio に送信することで、解決方法を特定することができます。

YouTube Studio アナリティクスから手動で取得するデータ

以下のデータは、API では取得できないため、YouTube Studio アナリティクスから手動で取得する必要があります。

YouTube Studio アナリティクスへのアクセス：

YouTube (https://www.youtube.com/) にアクセスし、YouTube チャンネルを管理している Google アカウントでログイン。
画面右上のプロフィールアイコンをクリックし、「YouTube Studio」を選択。
YouTube Studio の左側のメニューから「アナリティクス」を選択。

データの場所 (詳細)

YouTube Studio アナリティクスには、以下のタブがあります。

概要：チャンネル全体の主要な指標 (視聴回数、総再生時間、チャンネル登録者数など) を確認できます。
- 注目すべきデータ：
  - リアルタイム：直近のパフォーマンス
  - 上位のコンテンツ：特定期間内の人気コンテンツ
  - 主要指標：視聴回数、総再生時間、チャンネル登録者数
  - 視聴回数グラフ：日別の視聴回数推移
コンテンツ：動画、ショート動画、再生リストごとのパフォーマンスを確認できます。
- 上部のフィルタオプション：
  - すべて：すべてのコンテンツ形式のデータをまとめて表示
  - 動画：通常の動画のデータ
  - ショート：ショート動画のデータ
  - 再生リスト：再生リストのデータ
  - (これらのフィルタオプションを使って、分析したいコンテンツ形式を絞り込むことができます)
- 注目すべきデータ：
  - 視聴回数、高評価数、チャンネル登録者数 (コンテンツ形式別)
  - インプレッション数、クリック率、平均視聴時間 (動画)
  - 視聴者維持につながる重要なパート (動画)
  - 視聴者があなたの動画 / ショート動画を見つけた方法
  - 視聴を選択したユーザーの割合 (ショート)
  - 人気の動画 / ショート動画
  - 上位の再生リスト (再生リストからの視聴回数)
視聴者：視聴者の属性 (年齢、性別、地域など) や、視聴行動に関するデータを確認できます。
- 注目すべきデータ：
  - リピーター、ユニーク視聴者数、チャンネル登録者数
  - 視聴者が YouTube にアクセスしている時間帯
  - チャンネル登録者の総再生時間 (登録 / 未登録別)
  - 年齢と性別
  - このチャンネルの視聴者が見ている他のチャンネル / 動画
  - 視聴者が YouTube で視聴しているフォーマット
  - デバイスの種類
  - 上位の地域
  - 字幕の利用が上位の言語

各タブ確認すべきデータ (詳細な取得手順は省略)

詳細なトラフィックソースデータ
- YouTube 検索キーワード
- 関連動画
- 外部サイト
- 再生リスト
視聴者維持率 (詳細)
その他
- 視聴者が YouTube を利用している時間帯
- 視聴者が再生した他のチャンネル
- 視聴者が見ている他の動画
- 字幕の利用状況
- 上位の地域
- エンゲージメント (動画 / ショート動画の主要指標)

Google AI Studio で YouTube データを分析

Google AI Studio にデータを取り込む

API で自動取得したデータと、YouTube Studio アナリティクスから手動で取得したデータを、それぞれ CSV 形式で保存します。
- API で取得したデータの CSV エクスポート：
  - Google Apps Script でスプレッドシートに出力されたデータを開きます。
  - 「ファイル」>「ダウンロード」>「カンマ区切り値 (.csv)」を選択して、CSV ファイルとして保存します。
  - 必要に応じて、複数のシートのデータをそれぞれ CSV ファイルとして保存します。
- 手動で取得したデータの CSV エクスポート：
  - YouTube Studio アナリティクス (https://studio.youtube.com/channel/UC/analytics) にアクセスします。
  - データを取得したい期間を選択します。
  - 画面右上の「詳細モード」をクリックします。
  - 詳細モードの画面で、取得したいデータの種類（例：動画ごとの視聴回数、トラフィックソースなど）を選択・設定します。
  - 画面右上にある下向き矢印のアイコン（エクスポートアイコン）をクリックします。
  - 表示されたメニューから「.csv」を選択して、CSVファイルをダウンロードします。
Google AI Studio で新しいプロンプトを作成します。
分析したい CSV ファイルをすべて、入力欄に直接ドラッグ＆ドロップしてアップロードします。
下記のプロンプトと CSV ファイルを同時に送信して分析を実行してください。

YouTube SEO 対策に役立つプロンプト例 (各期間の分析)

以下は、Google AI Studio で YouTube データ分析を行う際のプロンプト例です。各期間 (28日間、90日間、365日間) ごとに、以下のプロンプトを参考に分析を行います。

[期間] の部分には、"28日間"、"90日間"、"365日間" をそれぞれ入れてください。

添付した複数の CSV ファイルは、私の YouTube チャンネルの過去[期間]のデータです。以下の情報が含まれています。

・チャンネル全体の概要データ (視聴回数、総再生時間、チャンネル登録者数など)
・動画ごとのデータ (視聴回数、平均視聴時間、平均視聴率、高評価数など)
・ショート動画のデータ (視聴回数、高評価数、コメント数、共有数、チャンネル登録者増加数、視聴 / スワイプ率など)
・再生リストのデータ (再生リストからの視聴回数など)
・トラフィックソースのデータ (YouTube 検索キーワード、関連動画、外部サイトなど)
・視聴者層データ (年齢、性別、地域など)
・視聴者の行動データ (YouTube 利用時間帯、他のチャンネル / 動画の視聴状況、字幕利用状況など)

これらのデータを総合的に分析し、以下の点について詳細なレポートを作成してください。

1. チャンネル全体のパフォーマンス概要：
	・期間内の主要な指標 (視聴回数、総再生時間、チャンネル登録者数) の変化とその要因
	・チャンネルの成長トレンド (増加傾向、減少傾向、停滞など)
	・特にパフォーマンスが良いコンテンツ (動画、ショート動画、再生リスト) とその理由

2. 動画 / ショート動画 / 再生リストの改善点：
	・視聴回数、視聴者維持率、エンゲージメント (高評価、コメント、共有) を向上させるための具体的な提案
	・タイトル、説明文、タグ、サムネイルの改善案
	・動画の構成や編集に関する提案 (イントロ、アウトロ、BGM、カット割りなど)
	・ショート動画の改善点 (視聴 / スワイプ率を上げるための工夫など)
	・再生リストの構成や活用方法に関する提案

3. SEO 対策：
	・YouTube 検索で上位表示されるためのキーワード戦略
	・関連動画に表示されるための対策
	・外部サイトからの流入を増やすための施策

4. 視聴者ターゲティング：
	・最も視聴されている年齢層、性別、地域
	・ターゲット層に響くコンテンツの提案
	・視聴者の行動パターン (YouTube 利用時間帯、他のチャンネル / 動画の視聴状況) に基づくコンテンツ配信戦略

5. 今後のコンテンツ戦略：
	・視聴者のニーズやトレンドを踏まえた、今後作成すべき動画 / ショート動画のテーマや企画
	・チャンネル登録者数を増やすための施策
	・長期的なチャンネル成長のための戦略

レポートは、具体的なデータと根拠に基づいて作成し、実行可能な提案を含めてください。

比較分析 (追加指示)

28日間、90日間、365日間の、各期間の分析がそれぞれ完了したら、同じチャット内で以下の追加指示を送信し、比較分析を行います。

これまでの28日間、90日間、365日間の分析結果を比較し、以下の点について詳細なレポートを作成してください。

1. 各期間における主要指標 (視聴回数、総再生時間、チャンネル登録者数) の変化と、その変化の要因を比較分析してください。
2. チャンネルの成長トレンドについて、短期・中期・長期の視点から評価してください。
3. 各期間の分析結果から得られた改善提案を比較し、最も効果的と思われる施策を優先順位付けしてください。
4. 季節性や特定のイベントによる影響を考慮し、今後のコンテンツ戦略に反映すべき点を具体的に提案してください。
5. 長期的なチャンネル成長のために、今後注力すべき点と、その理由を明確に示してください。