音声合成AI「PocketTTS」
🎥 今回の参考動画はこちら ▼
1. PocketTTSとは? - CPU時代の救世主
AIアーキテクトのOKIHIROです。最近のAIモデルは巨大化・GPU必須化が進んでいますが、今回紹介するPocketTTSは真逆のアプローチを取っています。
PocketTTSは、フランスのAIラボ「Kyutai」によって開発された、パラメータ数わずか1億(100M)の超軽量テキスト読み上げ(Text-to-Speech)モデルです。最大の特徴は、一般的なノートPCのCPUだけでリアルタイムに近い速度で動作する点です。
動画でも紹介されている通り、MacBook Airのようなマシンでも、遅延をほとんど感じることなくテキストを音声に変換できます。また、単純な読み上げだけでなく、音声のスタイル指定やクローニング(※設定が必要)もサポートしている点が魅力です🚀
2. 必要な準備
今回は、動画と同様にPythonのモダンなパッケージマネージャーであるuvを使用した方法と、従来のpipを使用した方法の両方を紹介します。環境に合わせて選択してください。
前提環境
- Python 3.10 以上
- FFmpeg(音声処理用バックエンドとして推奨)
インストール手順
まずはライブラリをインストールします。以下のコマンドを実行してください。
方法A: uv を使う場合(推奨・高速)
# uvが未導入の場合は先にインストール
pip install uv
# PocketTTSをインストール
uv pip install pocket-tts方法B: 通常の pip を使う場合
pip install pocket-tts動画では uvx コマンドを使ってインストールレスで実行していましたが、今回は開発での利用を想定して、ライブラリとしてインストールする手順を推奨します。
3. 実装・使い方の解説
インストールが完了したら、実際に動かしてみましょう。PocketTTSには、手軽に使えるCLI(コマンドライン)モードと、視覚的に操作できるWeb UIモード、そしてPythonスクリプトから呼び出す方法があります。
3-1. CLIでサクッと生成する
ターミナル(コマンドプロンプト)で以下のコマンドを実行するだけで、テキストから音声ファイルを生成できます。
# テキストを指定して生成(デフォルトの音声)
pocket-tts generate --text "Hello, this is a test of PocketTTS running on CPU."
# 音声話者を指定する場合(例: genie)
pocket-tts generate --text "I am speaking from my local machine." --voice genie実行すると、カレントディレクトリに音声ファイル(.wav)が出力されます。初回実行時はHugging Faceからモデルの重みファイルが自動的にダウンロードされるため、少し時間がかかりますが、2回目以降は爆速です⚡️
3-2. ブラウザで試す(Web UI)
動画でデモされていたWebインターフェースを立ち上げるには、serve コマンドを使用します。
pocket-tts serve起動後、ブラウザで http://localhost:8000 にアクセスすると、テキスト入力フォームと音声選択画面が表示されます。直感的に様々な音声を試すことができるので、検証用に最適です。
3-3. Pythonスクリプトで実装する
アプリケーションに組み込む場合は、以下のようなPythonコードを書きます。
from pocket_tts import PocketTTS
# モデルの初期化
tts = PocketTTS()
# 音声生成
# text: 読み上げたいテキスト
# output_filename: 保存ファイル名
tts.tts(
text="こんにちは、これはPythonから生成された音声です。",
output_filename="output.wav"
)
print("音声生成が完了しました!")非常にシンプルなAPI設計になっていることがわかりますね。これなら既存のアプリへの統合も容易です。
4. 応用・注意点
日本語の対応について
PocketTTSは主に英語データセットで学習されています。日本語を入力してもローマ字読み風になったり、正しく発音されない可能性が高いです。現状では英語の読み上げや、英語圏向けのアプリケーション開発に利用するのがベストです。
音声クローニング時のエラー(動画の補足)
動画の後半で、投稿者が自分の声をクローンしようとして 500 Server Error に遭遇していました。これは、音声クローニング機能に必要なモデルの重みがダウンロードできていないことが原因です。
Voice Cloning機能を使用するには、Hugging Face上の特定モデル(Gate付きモデルの場合があります)へのアクセス権を確認し、Hugging Face CLIでログイン(huggingface-cli login)して認証を通す必要があります。エラーログに「weights for the model with voice cloning」が見つからないと出た場合は、認証周りを確認してみてください✅
5. まとめ
本記事では、CPUで動作する軽量TTSモデル「PocketTTS」について解説しました。
- 軽量: 1億パラメータで動作が軽い。
- 手軽: Python環境があればすぐに導入可能。
- 柔軟: CLI、Web UI、Pythonライブラリとして利用可能。
GPUリソースが限られている環境や、エッジデバイスでの音声合成において、非常に強力な選択肢になります。ぜひあなたの開発環境でも試してみてください。
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