「AIに同じ指示を出したのに、前回と違う答えが返ってきた…」
「エラーが出たけど、何が原因かさっぱりわからない…」
AIを使って自分のツールを作ろうとすると、誰もが一度はこんな壁にぶつかります。しかし、プロの開発者はこうした状況を冷静に分析し、着実に乗り越えていきます。
この記事は、プロのAIエンジニアを育成する『OKIHIRO式 AI司令官養成アカデミー』の受講生に対して行われた、実際の個別フィードバックを元にした開発記録です。
開発現場で起こるリアルな問題と、それに対するプロの思考プロセスを覗いてみましょう。きっと、あなたの開発のヒントが見つかるはずです。
今回のサポート事例:3つのポイント
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1.
AIの出力の「ブレ」は当たり前
AIの答えが毎回違うのは仕様です。細かい違いに惑わされず、「最終的にツールが意図通りに動くか」というゴールを見失わないことが重要です。
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2.
目的によって「道具」を使い分ける思考
AIのGoogle検索機能やモデルの種類は、万能ではありません。ツールの骨組みを作る時、テストする時、本番で使う時など、状況に応じて最適なものを選択する思考法を解説します。
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3.
ツールの「見た目」は臆せず改善する
「文字が見づらい」「ボタンが小さい」といった見た目(UI)の問題は、AIに指示すれば簡単に直せます。自分が使いやすいように、ツールをどんどん育てていくのが成功の秘訣です。
【詳細解説】プロの思考プロセスを深掘り
1. 「AIの気まぐれ」との正しい付き合い方
AI開発で初心者が最も戸惑うのが、AIの出力が安定しないことです。これはAIが確率に基づいて答えを生成しているためで、ある意味「個性」や「気まぐれ」のようなもの。プロはこれを前提として受け入れています。
思考のポイント:
大切なのは、コードの細部やファイルの数が教材と少し違っていても、慌てないことです。「最終的に自分の思い描いたツールが完成するか?」という一点に集中しましょう。プロセスではなく、ゴールが最も重要です。
2. 状況で道具を選ぶ「モデル選択」の思考法
Geminiには「Pro」や「Flash」など、様々な性能のAIモデルがあります。これらを闇雲に使うのではなく、目的で使い分けるのがプロのやり方です。
思考のポイント:
- テスト開発中: 速度が速くコストが安い「Flash-Lite」モデルを使い、どんどん試行錯誤する。
- 本番運用: 精度と速度のバランスが良い「Flash」や、より深く考えるのが得意な「Pro」モデルを使い、ツールの品質を高める。
また、ツールの根幹となるコードを書かせる際は、AIの「Google検索機能」をオフにするのが基本です。なぜなら、余計な情報が混ざってAIが混乱し、かえってエラーの原因になることがあるからです。「最新の為替情報が欲しい」といった明確な目的がある時だけオンにしましょう。
※注意点: 無料で使えるAPIキー(※AIと通信するための合言葉)で送信したデータは、AIの学習に使われる可能性があります。顧客情報など、機密情報を扱う場合は必ず有料版のAPIキーを使いましょう。
3. 「見た目(UI)」を育ててモチベーションを維持する
自作ツールは、いわば自分の相棒です。見た目が使いにくいと、開発のモチベーションも下がってしまいます。
「文字が見にくいから直して」「実行ログが下にあって邪魔だから、右側に持ってきて2列にして」など、思ったことはどんどんAIに伝えてみましょう。AIは優秀なデザイナーでもあります。
思考のポイント:
最終的には、設定変更などのすべての操作が、ファイルを直接編集せずとも画面上(※GUIと言います)で完結できる状態を目指すと、誰にとっても使いやすい優れたツールになります。見た目を整えることは、機能開発と同じくらい重要なのです。
次のアクションへ繋げよう
今回の内容を踏まえて、まずはあなたのツールの「見た目(GUI)」をカスタマイズしてみましょう。以下のような指示をAIに出してみてください。
- 「起動したときに、ウィンドウが自動で最大表示になるようにして」
- 「実行ログの表示エリアを、画面の右側に移動させてください」
- 「ボタンの文字が小さいので、全体のフォントサイズを大きく見やすくして」
ツールは作って終わりではありません。対話を重ね、改善を繰り返すことで、あなただけのかけがえのない資産に育っていきます。
今回のような手厚いサポートで
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